4stブリーザーホース追加加工
4stのブリーザホースは大切な機能ですよ
2stであれ4stであれ、エンジンのクランクケースには「息抜き穴」、これを専門用語で正しくは「ブリーザホース取り付け穴」と申しますが、このホースを取り付けるパイプ穴が必ずあります。
写真のこれが、2stのシェルコとスコルパのこのパイプ取り付け穴で本当に「あればいい」レベルの小さな穴径ですね。
機械的な説明ははぶきまして、2stは「穴があればいい」レベルですが、4stはこの穴径の大きさと、その取り付ける位置と何ヶ所何本ホースを取り付けるのかで大きく性能が変わります。
話を4stだけに絞ります。注射器の中の押しポンプを押すように、シリンダーの中のピストンは上に上がり混合ガソリンを圧縮して点火プラグで爆発させパワーを得ます。のように「ピストンの上側」はバルブコントロールにより「吸気→圧縮→爆発→排気」を繰り返していますが、このサイクルが4つあるんで4ストロークと申します。
ピストンの上は小さな部屋で「圧縮して爆発させて排気」していますが、この空気の流れ行程は「入口から出口へ」と二つの穴があり一方通行になっています。それもトコロテンのように後ろから押されるように押されて流れます。当然、ピストンの下も同じなのですが「爆発がないのと部屋が大きい」のはさておき、1番の問題は空気の流れがない事です。
ピストンが下がると、その分はブリーザホース穴から抜けていきます。次に上がると同じブリーザホース穴から大気を吸い込みます。つまり同じ一つの穴からピストンが上下するたびに、人間の呼吸と同じく「吸ったり吐いたり」しているのです。はい、2stにはこれはありません。
誰が考えても、この呼吸穴は大きいほどいいわけですが、実はブリーザホースというのは別名「ブローバイガス排出ホース」とも言われています。ブローバイガスというのは密閉するべく付いているピストンリングから、上側の「圧縮→爆発」の行程でシール能力を超えて下側、つまりクランクケース側の空間へ「未燃焼ガスや排気ガス」が漏れてしまうガスのことです。
荒っぽく2stの小さなブリーザホースはクランクケース内部と外気がつながっているだけで、大気中の空気の行き来はないと考えてください。でも4stのブリーザホースから出てくる内気は、とても汚くて大気汚染の最右翼なのです。高回転になると当然、オイルも吹き出してきます。
だから結論としてメーカーは、このブリーザホースの径をできるだけ小さくするとか、ブローバイガスをエアークリーナーBOX内に導いて再燃焼させるとか、高回転のレーサーはオイルキャッチタンクをつけて閉じ込めるとか、いろいろな対策をしています。
話をTY125-4Tに絞ります。この4st125エンジンのブリーザホースは、クランクケース後方の一つだけです。これにプラスして「シリンダーヘッド部」と「クランクケース前部」の3箇所に追加してやれば、ズバリ
・より回転が上がり
・より低速がスムーズになり
・よりエンブレが利かなくなり2stのようなエンジン
になります。これは乗れば民間人でも体感できます。
そんなんしたら「ブローバイガス」がより出て大気が汚染されるのでは、という健全な正論、正義の味方月光仮面のおじさんはこの際いませんにしましょうね。今は非力な4st125のエンジンをいかに元気にさせるかのお話だけにしましょう。
●シリンダーヘッド部に取り付ける
本当は上部2カ所に付いている丸いタペットカバーに取り付けるのがベストなんだけど、すぐ上にフレームがきていましてここは無理。で、カムチェーンスプロケットカバーに取り付けます。
2本の8ミリボルトをゆるめカムチェーンスプロケットカバーを外すと、こうなります。丸いタペットカバー位置よりも上にあるから、こちらの方がいいかもしれません。
カムチェーンスプロケットカバーの前部にこういうパイプをねじ式で取り付けて、ホースを付け後ろに逃がします。
●クランクケース前部に取り付ける
この位置は昔からある常套手段の位置で、まさにボルトオン一発で取り付けられます。
この位置の欠点は、ホースが横に飛び出すことですが、次の写真のようにクラッチベースカバーのこの部分にφ5の穴を開けてタイラップバンドで内側に引っ張ってやればOKですね。
この位置にφ5の穴を開けて内側に追い込みます。
ミッション室オイルの入口フタには、このようなオイルレベルゲージが付いているものとついていないものがあります。TY125-4Tは付いていますが、フタのセンターにネジ穴を開けて竹の子真鍮パイプを取り付けるんだから、当然、このオイルレベルゲージは無くなります。
この場合は入口つら面からオイル規定上面までは44ミリだから、焼き鳥の串か何かにマジックで44ミリの位置に印をつけて差し込み測定すればOK。そもそもオイルを規定量入れて、普通に乗る分にはオイルは減りません。
●この2つの事をやって欲しい人は〜。
このヤマハの汎用125エンジンはとても優秀で、TTRとかXTZとかYBRとかの名称で各方面の125ccバイクに使われています。トライアルのバイクも本家のTYS125FやSY125FやTY125-4Tと名称は変わりますが、エンジンは同じものです。
1)あなたのバイクの「カムチェーンスプロケットカバー」を外す。2本の8ミリ頭のボルトを外すだけだから、チンパンジーでも外せます。
2)オイルレベルゲージのついたミッション室オイルの入口フタを外す。こっちはもっと簡単で、道具なしで高崎山のお猿さんでも外せます。
3)送ってきたあなたのこの二つの部品に、以下の加工をいたします。
・二つの部品に、竹の子型真鍮パイプをネジ穴加工をして取り付け
・その二つの竹の子真鍮パイプに、丈夫な網目入りホースを取り付け
4)この二つの加工、すべてで「6,000円(税別)」でやりましょう。
5)この二つの部品を当社に送る場合、郵便局のレターパック520に入れて送るのが安心最安値ですね。
6)このレターパックは性能が良くて「沖縄からも北海道からも」全国どこからでも書き留め扱いで、全国均一料金520円ポッキリで運んでくれます。
7)ですので、料金としては
・工作加工代→6,600円(税込)
・こちらからの送料→520円
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計7,120円
でよろしかったら、当方まで部品二つを送ってくださいね。
8)送り返してきた二つの部品には、少し長めに耐圧ホースがつけてあります。忍者が水の中で潜む時に、ストローみたいなものを口にくわえて潜みます。この呼吸パイプが長ければ長い方が水中深く潜そめると考えますが、呼吸をする往復息継ぎなので長くすると「吐いた炭酸ガスをまた吸う」になり息が続きません。
納期は「1泊だけ」で、お帰りになられます。
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