HONDA/RTL4stのクラッチ「ジャーダー」防止加工






BetaRev-3やBeta-Evoの、Betaのクラッチスプリングはこのようなのが6本です。で、スプリングを押さえつけるワッシャは、スプリング自体が踊らないように商品名「タイズキャップワッシャ」で締め付けています。参考までにクロモリ皿ボルト付き1個700円です。


今回の本題は同じ6本スプリングで締め込んでいるHONDA/ RTL4stのクラッチスプリングのお話になりますので、RTL以外にお乗りの皆様は「へぇ〜HONDAはそうなっているんや」で読み流してくださいね。

写真はすみません、裏表が反対ですが表も裏も写真のように「面」は真っ平らです。



HONDAにお乗りの皆様はクラッチアウターカバーを開けてみると、スプリングを締め込んでいる6本のボルトはこういう「投げて遊べる角のない手裏剣」または「花びら」みたいなので、6本スプリングを同時に締め付けています。分かりやすく、大きな分厚いワッシャの周辺に6つの穴を開けて、一つのワッシャで押さえつけているとも言えます。

でもスプリングの当たる部分は、真っ平らな部分になっていますので締め込んだスプリングがハードな半クラッチを使って酷使すると、わずかに横移動しブレていわゆる「ジャーダー」の原因になりますよね。これだと、平っぺたいワッシャで締め付けているのと、まったく同じです。



だったら単純にこのようにスプリングの当たる部分だけ少し座ぐって「ジャーダー防止タイズワッシャ」と同じようにすればいいのではないかですよ。で、この加工は、タイズワッシャは旋盤を回して作り、この座ぐりはフライス盤を前後左右に動かして加工します。

旋盤はリンゴの皮むきと同じで「刃物は動かさずにリンゴを回して削る」で、フライス盤はカンナ掛けと同じで「刃物を動かして固定した木材を削る」です。フライス作業のことを別名「段取りのフライス」と申しまして、削るまでの設定が大変で、削り始めると早いのですが「削るまでの位置決め」に手間と時間がかかります。

これがうちの工場にある旋盤です。卓上旋盤の一番大型のやつですが、インバーター制御でとても精度はいいですよ。バイクの部品を作るのなら、これでも大きすぎるくらいです。



これがフライス盤です。これも卓上フライスの一番大きいやつですが、同じくインバーター制御で旋盤もこれも大陸製ではなくて岡山県工業団地製です。見ての通り、後ろリムの軽量削作加工も余裕です。



この手裏剣みたいなのの外周に6ヶ所、最初からあいている6ミリ穴の真ん中にセンター合わせして、周囲をスプリングの外径分だけ1ミリ深く削るのですが、削る外形の位置決めを間違えるとすべてがお釈迦になります。また座ぐる穴外形の横水平度も重要で、これが少しでも元の平面に対して斜めに削ってしまうとスプリング自体が斜めに取り付いてしまい、これもお釈迦です。

旋盤作業は、最初から正面の水平と横の平行は削った時点で自動的に出ていますので、このようなフライスの手間はありませんから楽ですね。でもフライス盤はただ削るだけですが、旋盤はネジ切りとか斜めテーパー加工とかありまして少し難しいですよ。業界ではフライス工よりも旋盤工の方が、少しだけお手当てがよろしいようです。

あと一ヶ所の座グリ加工を残すのみまで仕上がりました。




完成です。多分ですが、HONDAのRTL4stに乗っているスペインも日本もワークス皆様は多分必ず、この加工をしていると思うけどね。さて、どうやろうねぇ〜??



クラッチアウターカバーを外してすぐに見える、この正式名称は「リフタプレート」を6本のボルトをゆるめて取り出し、それだけ単体で送ってください。加工をして一泊でお帰りになられます。

* 6ヶ所の座グリ加工をして→3,000円(税別)

* そちらからの送りは、厚さ3センチ以下だから以下が一番お安い順番です。

1)クリックポスト→全国どこからでも188円
2)レターパックライト郵便ポスト受取→全国どこからでも370円
3)レターパックプラス郵便対面受取→全国どこからでも520円

* 外して送るよりも、そうは高くない部品だからこっちから新品を加工して送るのもあり。
・新品リフタプレート→1,850円
・座グリ加工工賃→3,000円
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計4,850円

* こちらからのお帰りは

1)クリックポスト→全国どこへでも230円(梱包料込み)

「税込みの請求書」をつけて送り返しますので、富山の薬売りと同じ、後払いでいいですよ〜♪

お問い合わせはtrial.kuroyama@icloud.com まで


やや衰え気味のイチローさんより